会計・監査日記

気ままに会計や会計監査について書いてます。簿記の勉強している人たち参考にしてくれると嬉しいです。

リース取引⑥(セールアンドリースバック取引)

本日、最後のリース取引です!!!!

 

概要の説明

セールアンドリースバック取引とは、

自己所有の固定資産または取得した固定資産をリース会社に売却し

それと同時に当該売却した固定資産に係るリース契約を締結する取引のことを言います。

この会計処理には、下記の2つの考え方があるが、制度上は、

①の独立取引処理法が採用されていると言われています。

所有権移転ファイナンスリース取引を前提として、以下仕訳例。

 

仕訳
独立取引処理法(制度上考えられる処理)        
  固定資産の売却に関する仕訳(法的所有権の移転)        
    減価償却累計額 XXXX        / 固定資産 XXXX  
    現金および預金 XXXX        / 長期前受収益 XXXX  

←差額で長期前受収益or長期前払費用とすることで売却損益を繰り延べます。

 

 

リースバックに関する仕訳(法的所有権の実質的移転)        
  リース資産 XXXX        / リース債務 XXXX  

←計上金額は、上記仕訳の売却代金の金額となる。

 

 

借り手は、資産の売却取引による法的所有権の移転に伴い、

当該資産について売却処理を行う一方で、リースバック取引によるリース物件の法的所有権の

実質的移転に伴い、当該リース物件について

売買処理を行う。ただし、借り手が当該資産を継続して使用するという状況は実質的に変化がなく、

また、当該資産の売却損益は実現していないものと考えられます。

そこで、借り手は、当該売却損益を当該リース物件の減価償却の調整に充てるべく、

長期前払費用又は長期前受収益として繰り延べる処理を行います。

このように、独立取引処理法では、売却取引とリースバック取引が明確に区別され売却に関する仕訳と

リースバックに関する処理が必要とされる。

 

 

 

 

 

②単一取引処理法        
金融取引としての仕訳(資産を担保とした資金調達)      
  現金および預金 XXXX        / 借入金 XXXX

 

セールアンドリースバック取引については、借り手が所有していた資産の売却取引と

購入取引が同時に成立することにより、当該資産の売買取引そのものが存在していなかったと

解釈することができます。また、セールアンドリースバック取引の経済的実態は、

当該資産を担保とした資金の借入と捉えることができるため、

借り手は、セールアンドリースバック取引を

金融取引として処理し、売却代金を借入として負債計上します。

このように、単一取引処理法では、売却取引とリースバック取引を明確に区別せず、

両者が実質的に一体化した金融取引としてセールアンドリースバック取引をとらえることになります。

 

 

 

上記のように二つの考え方を説明しましたが、制度上は①が採用されている点に留意してください。

 

本日は以上です。

明日もよろしくお願いします。