会計・監査日記

気ままに会計や会計監査について書いてます。簿記の勉強している人たち参考にしてくれると嬉しいです。

連結財務諸表(増資②)

本日は、持分比率が変動する増資について考えていきましょう。

変動といっても持分比率が増加するときと、減少するときの2パターンが考えられます。

本日は、増加する方の説明をします。

 

 

前提

前期末に子会社の株式を80%を4,800で取得した。発行済株式数は100株である。

取得時点の子会社の資本構成は、資本金5,000、利益剰余金1,000であった。

当期末子会社が100株の増資を行い、全株式を親会社が8,000で取得した。その結果、持分比率が10%増加した。

当期末の子会社の資本構成は、資本金5,000、利益剰余金2,000である。

 

ここで、持分比率が増加する増資については下記のように考えて仕訳を行います。

①持分比率が変動しないような比率で払い込みをしたと想定し、修正仕訳を行います。

ここでは、親会社が80株、非支配株主20株引き受けたと考えます。

②実際には全てを親会社が引き受けたので、非支配株主から追加で20株取得したと考え追加取得と同様に考え修正仕訳を行います。

 

それらを仕訳で表すと

資本金8,000/子会社株式6,400

      非支配株主持分当期変動額1,600

非支配株主持分変動額700/子会社株式1,600

資本剰余金900

 

となります。これらを合算して結果として下記の通りとなります。

 

資本金8,000/子会社株式8,000

資本剰余金900/非支配株主持分変動額900

 

少し複雑ですが、分けて考えると納得していただけるかと思います。

 

明日もよろしくお願いします。

 

 

 

連結財務諸表(増資①)

本日もよろしくお願いします。

本日は、連結子会社が増資をした際の親会社の行うべき会計処理と連結修正仕訳を学んでいきましょう。

 

増資というのは、会社が新たに資金を調達するために株式を発行することを言います。

 

それでは、下記前提をもとに説明します。

 

前提

A社はB社の株式を80%取得し、子会社としていた。当期末に子会社は株主割当による増資を1,000行った。(持分比率の変化はない。)払い込み金額は全て資本金とする。

 

 

 

仕訳

親会社

子会社株式800/現金800

 

子会社

現金1,000/資本金1,000

 

 

連結上あるべき仕訳

現金200/非支配株主持分当期変動額200

となります。なぜなら親子会社間の取引はグループ内の取引であるため消去されるべきだからです。

したがって連結修正仕訳は下記の通りです。

 

 

連結修正仕訳

 

資本金1,000/子会社株式800

                     非支配株主持分当期変動額200

 

 

本日の例題は、増資後も持分比率の変動がなかったため、単純な例題となりました。

しかし、増資を行う場合は、通常株主の持分比率は変動します。

明日はそのパターンを紹介します。

 

明日もよろしくお願いします。

 

 

 

連結財務諸表(時価評価差額)

本日は、時価評価差額についてです。

子会社を取得し、連結の範囲に取り込む際は子会社の資産負債を取得時の時価時価評価し、その金額を持って連結財務諸表に取り込むこととされています。これを全面時価評価法と言います。

例えば、土地について簿価と時価を比較して時価が上がっていれば評価替えし直します。

当該差額を評価差額と言います。

これも連結特有のものですので、資本連結に際して調整が必要な項目となります。

 

前提

A社を子会社化(100%)した。その時の土地の時価は簿価より1,000上がっていた。

取得時は資本金5,000、取得対価7,000とする。

 

個別上(時価評価)

土地1,000/評価差額1,000

 

 

連結修正仕訳

資本金5,000/ 子会社株式7,000

評価差額1,000

のれん1,000

 

となります。

資本連結でも、のれんが出てくるパターンやそうでないパターン、評価差額が出てくるパターンとそうでないパターンというようにいくつかパターンがありますので、

よく復習してください。

 

明日もよろしくお願いします。

 

連結財務諸表(一部売却)

本日は、一部売却です。

 

一部売却とは、子会社株式の一部を売却するとことで昨日の追加取得とは、逆の行為ですね。

(追加取得とセットで覚えるといいです。)

早速仕訳について説明します。

前提

親会社は、100%子会社の株式の10%(1,000)を5,000で売却した。

売却時点の子会社の純資産は15,000とする。

 

 

個別の仕訳

 

親会社

現金5,000/子会社株式1,000

      子会社株式売却益4,000

 

 

連結上あるべき仕訳

現金5,000/非支配株主持分変動額1,500

                 資本剰余金3,500

 

 

 

連結修正仕訳

 

子会社株式1,000/非支配株主持分変動額1,500

子会社株式売却益4,000/資本剰余金3,500

 

となります。

追加取得とほぼ考え方は同様ですが、一部売却の際は、

売却益を全額消去する必要がある点については留意が必要です。

 

 

明日もよろしくお願いします。

 

 

連結財務諸表(追加取得)

本日は追加取得についてです。

 

追加取得というのは今、子会社株式の80%を保有していて子会社化しているような場合を想像してみてください。そのような場合に、当期末10%追加で株式を取得したというように子会社の株式を、また買うことを言います。(そのままですね、、)

 

この場合、どのような処理をする必要があるかを説明します。

 

まず、個別上の仕訳を考えます。

 

親会社は、子会社株式の10%(1,000)を追加取得した。追加取得前は80%保有している。

追加取得時の子会社の純資産の合計は5,000である。

 

子会社株式1,000/現金1,000

 

となります。

 

この時の連結上のあるべき考え方としては、

親会社は、子会社の親会社以外の株主(非支配株主と言います。)から株式を買い取ることになります。したがって、親会社の保有比率(持分比率)は増加し、その分非支配株主の持分比率は減少することとなります。

上記を仕訳であらわすと、、、

(あるべき仕訳)

非支配株主持分の当期変動額500/現金1,000

資本剰余金500

と表します。

※5,000*10%=500

非支配株主持分の減少額と取得対価の差額は資本剰余金勘定を用います。

これは、会計上、非支配株主との取引が資本取引と取り扱うこととされているためです。

 

最終的に、連結修正仕訳として行うべき仕訳は下記の通りです。

(連結修正仕訳)

非支配株主持分の当期変動額500※/子会社株式1,000

資本剰余金500

 

 

少しはイメージを持ってもらえると嬉しいです。

 

明日もよろしくお願いします。

 

連結財務諸表(のれん)

本日も連結財務諸表についてです。ある会社を子会社化するときや合併などの企業結合を行う際に必ずと言っていいほど登場するのれんというものについて説明します。

 

のれんとは、その企業の超過収益力の要因であると一般的に言われます。

つまりB/S上、計上されるものではないが、実質的に企業が有している価値あるもののことを言います。例えば、その企業が有しているノウハウや、人材などがあります。

 

昨日の開始仕訳の例で、下記前提を用いて説明しましたが、その際は前提を簡潔にするためのれんが出ないようにしました。

前提

前期に子会社を100%取得して子会社株式を10,000で取得した

子会社の資本金は8,000、利益剰余金2,000であるとする。(時価評価が必要な資産負債はないこととする。)

 

 

上記の前提の一部をこのように変えた場合はどうでしょうか。。

前提

前期に子会社を100%取得して子会社株式を12,000で取得した

子会社の資本金は8,000、利益剰余金2,000であるとする。(時価評価が必要な資産負債はないこととする。)

 

この場合に、連結修正仕訳を行うと下記の通りです。

 

資本金8,000/子会社株式12,000

利益剰余金2,000

のれん2,000

取得に際して支払った対価と、取得した資産負債の差額がのれんとなります。

当該のれんは、最長20年以内の償却期間で定額法など合理的な方法で償却していきます。

 

のれんという概念は、会計上重要ですので、ぜひ覚えてください。

 

明日もよろしくお願いします。 

 

連結財務諸表(開始仕訳)

本日もよろしくお願いします。

 

本日は、開始仕訳というものについて説明します。

おそらく連結財務諸表を初めて勉強するという方にとっては初めて聞く言葉だと思います。

ですが、理解すれば、難しい話ではありません。昨日までに登場してきた連結修正仕訳と関連があります。

一緒に頑張りましょう。

 

開始仕訳とは、言葉通り仕訳の種類ですが、個別財務諸表から連結財務諸表を作成する際に、連結修正仕訳を行うことを説明してきました。この連結修正仕訳は、帳簿外で実施される仕訳であるため、当期連結修正仕訳を実施して連結財務諸表を作成した場合でも、翌期の個別財務諸表には当該影響は全く反映されておりません。

そこで、前期までの連結修正仕訳の影響額を引き継ぐために行われる仕訳が開始仕訳なのです。

 

具体例を用いて説明します。

 

前提

前期に子会社を100%取得して子会社株式を10,000で取得した

子会社の資本金は8,000、利益剰余金2,000であるとする。(時価評価が必要な資産負債はないこととする。)

 

 

この場合の前期取得時点の連結修正仕訳では、

(連結修正仕訳)

資本金8,000/子会社株式10,000

利益剰余金2,000

 

当期

(開始仕訳)

資本金当期首残高8,000/子会社株式10,000

利益剰余金当期首残高2,000

というように前期の影響を当期においても加味するため上記仕訳を行います。前期までの影響であるため、当期首残高の金額に影響がある為仕訳はそのようになります。

 

その後、当期中の変動等があればそれらの連結修正仕訳を行い、連結財務諸表を作成し、

さらに翌期になると、当期の影響も含めて翌期の連結財務諸表作成時に開始仕訳を行うという流れです。

 

少しでもイメージを持っていただければ嬉しく思います。

 

明日もよろしくお願いします。