リース取引⑤貸手の処理(ファイナンスリース)
本日も、リース取引です。
予告通り、貸手の処理についてです。
仕訳の方法としては、下記3つの方法があります。
①リース取引開始日に売上高と売上原価を計上する方法
②リース料受け取り時に売上高と売上原価を計上する方法
③売上高を計上せずに利息相当額を各期へ配分する方法
上記3つの方法の仕訳について説明します。
前提
所有権移転条項あり
解約不能のリース期間5年
借手の見積り現金購入価額は48,000円(貸手のリース物件の購入価額はこれと等しいが借手はこの事実を知らない。)リース料は年額 12,000円で期末日払いとする。リース料総額は60,000円
借手の追加借入利子率 年6%
リース物件の経済的耐用年数は10年
減価償却方法は定額法とする。
貸手の利率は、7.931%とする。
仕訳例(所有権移転ファイナンスリース取引が前提) | |||||
【貸手】 | |||||
①リース取引開始日に売上高と売上原価を計上する方法 | |||||
リース取引開始日 | |||||
リース債権 | 60,000 / | 売上 | 60,000 | ←リース料総額で計上する。 | |
売上原価 | 48,000 / | 買掛金 | 48,000 | ←現金購入価額により売上原価計上する。 | |
売上高と売上原価の差額は利息相当額として取り扱う。リース期間中の各期末において、 期末日以後に対応する利益は繰り延べる。 |
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リース料受取日 | |||||
現金 | 12,000 / | リース債権 | 12,000 | ||
利率7.931% | |||||
翌期以降の利益を繰り延べる | |||||
売上 | 8,193 / | 繰り延べ利益 | 8,193 | ||
②リース料受け取り時に売上高と売上原価を計上する方法 | |||||
リース取引開始日 | |||||
リース債権 | 48,000 / | 買掛金 | 48,000 | ←現金購入価額によりリース債権計上。 | |
リース料受取日 | |||||
現金 | 12,000 / | 売上 | 12,000 | ||
売上原価 | 8,193 / | リース債権 | 8,193 |
←各期に配分された利息相当額を差し引いた額を リース物件の売上原価として処理する。 |
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③売上高を計上せずに利息相当額を各期へ配分する方法。 | |||||
リース取引開始日 | |||||
リース債権 | 48,000 / | 買掛金 | 48,000 | ←現金購入価額によりリース債権計上。 | |
リース料受取日 | |||||
現金 | 12,000 / | リース債権 | 8,193 | ←元本の回収 | |
受取利息 | 3,807 |
所有権移転外の場合は、赤字で示した勘定科目部分の「リース債権」が「リース投資資産」に変更されるだけの違いです。
問題で出題される場合は、どのパターンなのか見極めることが重要だと思います。
基本的な形を理解してくれれば嬉しいです。
明日は、セールアンドリースバック取引について記載する予定です。
明日もよろしくお願いします。