会計・監査日記

気ままに会計や会計監査について書いてます。簿記の勉強している人たち参考にしてくれると嬉しいです。

リース取引②

リース取引の仕訳を知ろう!!

昨日に引き続きリース取引です。

 

少し昨日の補足からですが、リース取引はある企業から固定資産を長期間借りてくる取引のことだと説明しました。そのため、リース取引には、貸手と借手の処理方法について考える必要があります。昨日は、借手目線の説明となっておりました。その前提で読んでいただけますとうれししいです。

 

では、本題です。

 

 

リース取引の会計処理

       
リース取引に関しては、一般的な言葉で言うと借りてくる取引であるため、    

貸手と借手が存在することになります。その会計処理についてそれぞれ記載していきます。

下記表は、可能であれば覚えましょう。

 
         
  リース物件の貸し手の購入価額等が    
明らかな場合 明らかでない場合    
所有権移転ファイナンスリース取引 貸し手の購入価額等 見積現金購入価額
・リース料総額の割引現在価値
いずれか低い価額
   
所有権移転外ファイナンスリース取引 ・貸し手の購入価額等
・リース料総額の割引現在価値
いずれか低い価額
   

 所有権移転か

所有権移転外かは、契約の内容によって、

リース期間経過後にリース物件が

借手のものになるかならないかという違いです。

リース取引に関する会計基準の適用指針97では

下記の通りとされています。

契約上、所有権移転条項がある場合に、借手に

割安購入選択権があり、その行使が確実に予想される場合や

特別仕様の固定資産である場合に、所有権移転に該当し、

それ以外は所有権移転外となります。

前提

所有権移転条項あり
解約不能のリース期間5年
借手の見積り現金購入価額は48,000円

(貸手のリース物件の購入価額はこれと

等しいが借手はこの事実を知らない。)

リース料は年額 12,000円で期末日払いとする。

リース料総額は60,000円
借手の追加借入利子率 年6%
リース物件の経済的耐用年数は10年
減価償却方法は定額法とする。残存価額は10%

まず、リース取引は、5年間解約不能であるため

一つ目の要件を満たす。

そして、フルペイアウトの要件については下記のとおり

判定が行われる。

①現在価値基準による判定

見積り現金購入価額<リース料総額の現在価値

48,000<50,548.36

 

②経済的耐用年数基準による判定

解約不能のリース期間<75%

5/10*100=50%<75%

 

上記①により、ファイナンスリース取引に該当する。

       
         
仕訳例(所有権移転ファイナンスリース取引が前提)      
【借り手】        
リース取引開始日        
  リース資産 48,000        / リース債務 48,000
原則:リース料総額から利息相当額の合理的な見積額を控除する。    
         
         
リース料の支払い(リース債務の返済)      
  支払利息 3,807       / 現金 12,000
  リース債務 8,193       /    
借入金の返済の処理と同様。      

利息法により配分する。

 

48,000=12,000/(1+r) +12,000/(1+r)^2・・・+12,000/(1+r)^5

r=7.931%

       
         
減価償却費計算時        
  リース資産減価償却 4,320        / リース資産減価償却累計額 4,320

通常に、固定資産を取得した時と同様の方法で減価償却費を計算していく。

48,000*0.9/10=4,320

   
         

上記のような仕訳となる。

本日は、所有権移転ファイナンスリース取引の借手の仕訳について紹介しました。

明日は、所有権移転外ファイナンスリース取引の借手の仕訳について紹介します。

明日もよろしくお願いします。